副料理長は2番目に偉い

人生と物語と学術を中心に

「3年でプロになれる脚本術」(尾崎将也著)が素晴らしい本だったので感想を書く

脚本の勉強として尾崎将也さんの著書「3年でプロになれる脚本術」を読みました。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41XoiXOAmaL._SX344_BO1,204,203,200_.jpg

いやぁ素晴らしい本でした。久しぶりに良書に出会いましたよ。

今回初めて脚本の勉強に関する本を読んだんですが、いきなり当たりを引いちゃった感じです。で、せっかく良書に出会えたので今回は「3年でプロになれる脚本術」の感想を書いていこうと思います。

興味のある人は最後までお付き合い頂けると幸いです!

2種類のスポーツ指導

いきなりスポーツの話で恐縮ですが、必要な話なのでさせて貰います。私はスポーツ指導には大きく2種類あると思っています。それは"やり方を教える指導"と"なりたい姿へ導びく指導"です。この2つの違いは野球を例にすると分かりやすいです。

やり方を教える指導:基本的な技術やテクニックの指導

なりたい姿へ導びく指導:プロ野球選手になるまでに必要なトレーニングや練習量を指示する指導

つまり野球なら基本的な技術やテクニックなどを教える事が"やり方を教える指導"、選手としての最終目標に至る必要プロセスを教える事が"なりたい姿へ導びく指導"となります。そして論理的にも私個人の経験からも後者の指導をしてくれる人は少ないと思われます。

それは"なりたい姿へ導びく指導"の実践はもの凄く骨が折れることだからです

「流し打ち」のやり方をお手本として示したり、コツを教える事はその場限りで済むことなので、自分の時間を取ることはあまりないでしょう。しかし、「プロ野球選手になるためには〇〇を〇年間続けろ!」というのは結構骨が折れることだと思います。

単純に自分の経験を教えることを超えて、他人に必要な練習メニューや量を示すわけですから、様々な作業が必要になってきます

そしてプロ野球選手になるためのトレーニングの方法や量を示すことは、他人の人生を預かり責任を持つことになるため覚悟も必要になります。だからこそ"なりたい姿へ導びく指導"をする人が少ないのは当然だと思うのです。

また私のスポーツの経験の中でも"なりたい姿へ導びく指導"というのはなかなかして貰えるものではなかったし、私自身が指導する側になった際も"なりたい姿へ導びく指導"を面倒臭いと感じた事があります。

ちなみに"やり方を教える指導"は本当に手離れが良くて、しかも教えた相手に影響を与えられるし尊敬もされるので本当に良いものでした。(笑)

「3年でプロになれる脚本術」は"なりたい姿へ導く指導"をしてくれる本

私が今まで読んだ脚本の勉強に関する本は「3年でプロになれる脚本術」しかありません。つまり初めての脚本勉強本が「3年でプロになれる脚本術」なのです。

だから断言することはできませんが、恐らくは脚本の勉強本で"なりたい姿へ導びく指導"をしたものは世の中にそう多くは無いのではないかと思います。

理由は上述の通りで、"なりたい姿へ導びく指導"は骨は折れるし勇気の要ることだからです。

しかし「3年でプロになれる脚本術」はプロの脚本家に至るために必要な練習メニューと期間について書かれている本です

具体的には"なりたい姿"をプロの脚本家として、3年でプロの脚本家になるために必要な練習方法や観るべき映画などについて書いてあるのです

そこが私がこの本を素晴らしいと思った理由です。まぁ他にもこの手の本はあるのかもしれませんが、通り一遍の基礎的な技術や作法、テクニックを教えるような本ではないのは間違いありません。

強いて不満点を挙げるなら・・・

この本に全く不満が無いかと言われたら「無い!」と断言はできます。しかし、強いて不満点を挙げろと言われたら挙げることはできます。

それは「脚本の書き方」についてはほぼ触れられていないことです。キャラクターの作り方だとか脚本の作法といった脚本執筆に関するテクニックや作法の類はほぼ書いてありません。

これまでの文脈なら"やり方を教える指導"によって教えて貰える部分です。この点はまた別の本で学ぶ必要性があるので、それがこの本に対する私の不満点です。(「まぁあくまで強いて挙げるなら...」の話です。)

まとめ

プロの脚本家になるために必要な練習メニューなどのプロセスについて知りたい人にとっては「3年でプロになれる脚本術」は素晴らしい一冊になるでしょう

ただし、脚本執筆に関する基本的な作法や技術、テクニックを求めている人には合わない本なので辞めておいた方が良いでしょう。